R18。
モブおじさんが西ロマがいちゃいちゃしているのを囃し立ててくるが、モブおじさんはスペインにもロマーノにも興味はなく性的欲求もない。
ギャグとして流してほしい。
〜あらすじ〜
街で絡まれていたベッラを助けるべく、果敢にもならず者たちへと立ち向かって行ったイタリア・ロマーノ。しかし彼は男たちの見たこともないような奇怪な術によってあっという間に大破させられてしまう。身ぐるみを剥がされトマトぱんつ一丁で立ち尽くすが、こんなみっともない姿はベッラに見せられない。ちくしょー! スペイン何とかしろよ、このやろー……そう嘆くロマーノの元へ、今、あの男が駆けつける。
「ロマーノ!」
ロマーノの名を呼ぶ勇ましい声に、その場にいた全員が振り返る。人の行き交いも少ないこの路地裏のことを一体どうやって嗅ぎつけてきたのかはわからないが、そこには真剣な表情で駆け込んで来たスペインの姿があった。かつての宗主国の姿を見とめたロマーノは、すでにただの布切れと化した自分の服の切れ端を握りしめて彼の名を叫ぶ。
「す、スペイン……! 来てくれたのか!?」
それを受けてならず者たちが怪訝そうに問うた。
「なんだあ? この男は」
「俺はスペイン! そいつの親分やで!」
「親分だとぉ? フン、ふざけやがって!」
あまりにももっともなならず者たちの言葉にロマーノも、お前……情熱の国じゃなかったのかよ、と的外れにもトルコに連れさらわれそうになった時のことを思い出していたが、口には出さなかった。
あたりに漂いだした微妙な空気を構うことなく、スペインは決めポーズで言い放つ。
「ロマーノには手を出すな!」
堂々としたその物言いにならず者たちが何とも言えない表情をしているが、ロマーノはと言えば根拠もなく安堵し、こいつが来たからにはもう大丈夫だ、と謎の自信を見せていた。
出会ったばかりの頃は彼のすぐに親分ぶるところが気に入らないと思っていたが、今になって思えばスペインはいつだってロマーノのことを守ってくれた。物の本によれば没落の一因にもなるほど南イタリア防衛につぎ込んだせいで、赤字だったと言うではないか。それに対してロマーノが罪悪感を抱いたり感謝したりするいわれはないが(だってスペインが自分の意思でやったことだし)、それだけの実績があるからにはロマーノを守ることにかけてプロフェッショナルだと言っても過言ではないだろう。
それに何よりスペインはロマーノにたくさん貢いでくれたし、今でも泣きつけばすぐにご飯を奢ってくれる。今でこそロマーノはイタリアとして弟とふたりでひとつの国をやっているが、スペインなら好きなだけ尽くしてくれて良いんだぞ、と心の底から思うぐらいには信頼している。彼になら何でも任せたって構わない。部屋を掃除された時もドイツのムキムキヤロウなんかには指一本ふれられたくなかったが、スペインなら文句なんてないぞ。むしろ今でも俺の面倒を見るべきだ、そういう風にロマーノは考えている。
そんなスペインの登場だ。彼ならあのおかしな技を使う男たちのことも、簡単に蹴散らしてくれるはず。ロマーノが安心するのも当然だった。
そう、信じていたのだ。スペインのことも、彼の強さも。まさかこの後、その信頼とスペインの親分としてのプライドを打ち砕くような悲劇が起きるとも知らないで……。
「うるせぇ、お前もこいつと同じ目にあわせてやる!」
男たちの怒号とともにあたりに煙幕がムクムクと立ち込めた。ロマーノはハッとして声を上げた。
「スペイン……! 逃げろッ! そいつは変な技を使うぞ!」
彼らはロマーノに使ったのと同じ、あの不思議な術を繰り出したのだ。やばい、そう思って叫んだ時には既に遅かった。一瞬、閃光が発せられたかと思うと、白い煙に包まれて目の前が真っ白に染まる。スペインの瞳が見開かれるが、すぐにその表情もわからないほど視界が悪くなった。
「———ッ!?」
「す、スペイン……ッ?!」
何かが弾けるような音がしたのと同時に土煙が舞い上がる。突風に目を開けていられなくて、ロマーノは咄嗟に目の前に腕をかざし、風を避けるように顔を背けた。薄眼を開けて何が起こっているのかを確認しようとすると、不意に布の切れ端が目の前を横切っていった。思わずそれに手を伸ばす。
すぐにその切れ端が何かを知って絶望に襲われた。
「す、スペイン……そんな……」
それは先ほどまでスペインが着ていたベージュのジャケットの布のようだった。
彼もまたロマーノと同様に大破させられてしまったのか。あまりのショックからロマーノはその場に崩れ落ちた。
「へっへっへ、勇ましいことを言っててもチョロいもんだぜ!」
「くっ……」
「こんな姿、子分が見たらどう思うんだろうなあ」
煙の中でかわされる不穏な会話に、今はまだうずくまっている場合ではないと自分を叱咤して立ち上がる。ふらふらと態勢を立て直そうとしていると、焦ったようなスペインの声が聞こえてきた。
「アッ、あかん……! ロマーノは近づけんとってぇ……ッ!」
「スペイン!」
「ロマ、こっちには来るなッ!」
ロマーノはスペインのことを気に入っていた。だからこそ彼が傷ついている姿を見ると心が痛むし、不景気で彼がベッドに臥せっていた時はこのまま消えてしまうのではないかと不安に駆られ、ひたすら走った。力もなく知恵もないロマーノにできることなんてほとんどないことはわかっていたが、ただ黙って見ているなんてできなかった。例えヘタレであっても、目の前にいる人が困っているなら何とかしてやりたいと自然に思う、南イタリアの人情深さがロマーノを奮い立たせるのだ。
「ちくしょ……っ! スペイン、待ってろ! 今助けてやるからな……!」
「ふはは! さぁて、いつまで強がっていられるかな」
いかにもな悪どい台詞が聞こえてきて、涙が込み上げてくる。スペイン、どうか無事でいてくれ。そういった祈りにも似た想いで腕を伸ばす。
やがて煙幕が薄れていく。スペインの影を捉えられるところまで来ていた。スペイン、そう呼びかけると、今までに聞いたこともないような余裕のない声でスペインが制止をかけた。
「あかん! ロマーノ、離れぇ……ッ!」
「な、なんだ……っ?! ちぎっ……ッ」
いきなり腕を取られて右肩を押された。ぐりんと回る視界についていけず、されるがままになっていると体を反転させられる。背後に立った男が喉を鳴らす音を聞いた。次いで、耳たぶをはあはあと荒くて熱い吐息が掠めていく。相手はひどく興奮しているようだ。抵抗する間もなく唯一残った下着に手をかけられる。そのまま勢い良くずり下されて、突然、外気に晒された尻を、男の分厚い手のひらに撫でていった。ヒュッと息を呑むが、手の主は驚くロマーノには構わず腰を掴んで尻を突き出す態勢を取らせた。
「ばっ……! て、てっめ……何しやがるっ」
咄嗟に頭に血がのぼる。しかし羞恥を感じている場合ではない。慌てて抵抗を試み暴れてみたが、関節を難なく抑えられて動きを封じ込められた。
「なっ……! ちょっ……、本気で何考えてんだ、この……ッ! ひァ!?」
不意に尻の狭間へ熱くて硬いものを擦り付けられる。それで何をされようとしているのかを察してしまい、思わず目を見開いた。あまりに突拍子もないことではあったが、そうと考えれば先ほどスペインが必死にロマーノを止めようとした理由にも納得がいく。そんな、まさか……信じられない思いで肩越しに後ろを振り返る。
「ロマ……ッ、ぁ、なんで来たんや……!」
険しい顔をしたスペインが苦しそうに何かを堪えながら言う。余裕がないのか、ロマーノを責める声には容赦がない。幼い頃、どんなに失敗をしても聞いたことのなかった厳しい物言いに身を竦めて泣きそうになる。
「ふ……ぅ、ァ、スペイ、ン……ぅ」
「くそ……っ」
ロマーノが答えられないと知ると、日頃の彼からは想像のできない悪態をつかれた。よく考えれば、ロマーノの口の悪さに対しても、可愛げがない、と嘆くことはあってもそんな言葉を使うなと咎められたことはない。ましてや日常的にイタリア語の罵倒を聞いているのだから、彼にだってそういった言葉を使う素地はあるのだろう。
とにかくロマーノは見たこともないスペインの姿に、今起きていることが現実ではないんじゃないかとすら思った。
「さあて、いつまで親分ヅラを続けていられるかな」
「……っぐぅ」
忘れそうになっていたが、他にも男たちはいるのだ。彼らにも今のロマーノの痴態を見えているのだと思うと耐えられなかった。
スペインの堪えるような唸り声が聞こえる。しかし彼が既に理性をほとんど手放していることは、時折漏れ聞こえる鼻にかかったような甘い吐息でわかっていた。そうこうしている間にも尻の間に押し付けられたものがぬめりを帯びだし、ぐいぐいと押し付けられる。経験したことのない感覚に、ぞわり、と背筋に悪寒のような痺れが走り、ぞわぞわと全身を震わせた。
「やっ、やだぁ……やめっ……!?」
涙混じりに懇願するが、それは大した抵抗もなく、するりとロマーノの体内へと入ってきた。ぬるぬると異物が侵入してくる感覚に、ハッと息を呑む。
「そ、そんな、ァ……っ!」
一体なぜ、慣れているわけでもないのに、こんなにスムーズにコトが運ばれてしまうなんて……。そんな疑問も過ぎったが、この状況に混乱し怯えているロマーノの全身はほとんど力が入っておらず、今も立っているのがやっとだった。膝がガクガクと笑っているから、筋肉が弛緩しているのかもしれない。そのまま崩れ落ちそうになるが、背後から二の腕を掴まれてしゃがみ込むことは叶わなかった。
「うっ……ッ、くぁ……ンん!」
まぶたをぎゅっと閉じて、侵入を拒むべく腹に力をこめる。このまま男に犯され蹂躙されるなんて、ロマーノのプライドが許さなかった。しかもここは人通りがないとは言え往来だ。いつ誰が通るとも知れないのに、これ以上の醜態は晒せない。
しかし事態は無情にもロマーノの願いを裏切る形へと動いた。
詰めていた息をそろりと吐き出す瞬間の不意を突かれて、背中から覆い被さるように抱きしめられた。春とはいえ裸でいるには肌寒い気候だ。冷えた背中に男の体温は熱いぐらいだった。逞しい腹筋が、背中に押し付けられる。体の前に回された手は腹筋や胸元を悪戯に撫でていく。さわさわとまさぐる指先がくすぐったくて、思わず身をよじった。その動きによって一瞬、ロマーノの体の強張りが解けたのだろう。男はその僅かな隙も見逃さなかった。
「ちぎゃああ!」
いきなり、ズンっと腰を突き入れられて悲鳴を上げる。男の猛った性器がロマーノの胎内に埋められるのが、やけに生々しく伝わってくる。それだけでも衝撃が強いのに、耳に男の荒い吐息がかかるものだから、現実を認識したくないと意識が混乱した。ロマーノは泣きそうになりながら、男からぶつけられる理不尽な性欲に耐えた。
「ふっ、う……あっ、あァ、あ…、ひど、いぃ……なっで、こんな……スペイ、ン! スペイン!」
「ロマ、あかん……っ、はあ、せやから来ちゃあかんって、言うたのに……!」
責める言葉のわりに声音は甘やかで、うっとりとしているような響きがあった。ロマーノの背後の男———スペインは、今抱きしめている元子分のことを決して逃すまいと腹の前に回した腕に力を込めて、さらに引き寄せようとした。ぐいっと体を倒されて、その拍子に挿入されたものがさらに深いところへと入り込んだ。
「ふ、ぅ……ァ、ああンんぅ……! アッ、動くなぁ……ッ!」
「ごめ、ロマ……ぁ、とまらへんのや……」
言いながらも腰を小刻みに揺さぶられて内襞が擦られる。その感覚に何とも形容し難い、もどかしさが込み上げてきてロマーノは首を左右に振った。パラパラと涙が散るが、スペインの動きはむしろ大胆になるばかりで止まってはくれやしない。
「はっァ、あン! スペイ、んぅ、なんで……ぇ! なんで、こんな……あァ!」
ロマーノにとっては裏切りとも言えるようなスペインの突然の蛮行に、なぜと問う。その間もスペインの攻めは緩められず、ロマーノを喘がせた。
「ロマ……っ! ロマーノ、堪忍な……! 親分は裸になるとっ、お前と、こうなってまう体質なんや……ッ!」
「あっ、ふぅ、んン……っ、た、体質っ……?!」
今まで全く気がつかなかった。しかし言われてみれば、スペインはあまりロマーノの前では服を脱ぎたがらなかった気もする。寝る時も全裸のロマーノとは違い必ず袖の長いシャツを着ていたし、ぱんつ一枚で部屋をウロウロするロマーノのことをはしたないと注意していた。まさか、こんな事情があったなんて思いもよらなかった。
「くっ、う……なっならしょうがねぇっけど……あンあぁ! こんな、とこで……ぇ!」
誰が通りがかるかもわからない往来で、先ほど逃がしたベッラがいつ戻ってくるとも知れない状況だ。それに狭い路地では声がよく響く。両側にそびえ立つ古いアパートメントの壁がホールのように音を内側にこもらせて、上げさせられっぱなしのロマーノの喘ぎ声を反響させた。外野では男たちがこちらを見ながらニヤニヤと笑っている。何か企んでいるような笑みに羞恥が煽られて、どうにかなってしまいそうなぐらい恥ずかしかった。
「サイッ、テーだ、ぞ……! ひっ、あッ!」
顔を真っ赤にさせて身悶えながら責めるも、スペインは、堪忍な、と呟くだけでロマーノの体内に埋めている自身を引き抜いてはくれない。それどころか一層、腰を使ってロマーノを攻め立てるので、必死になって頭を振り与えられる快感を散らそうとする。
「っはあ、……俺、親分やのに……っ、大事な子分に、こんな…ッ!」
スペインの切羽詰まった声に自責の念が滲み出ていた。
今までずっと大事に成長を見守ってきた、可愛いかわいい子分。今はもう親分ではないから困っていることがあっても手を出すこは叶わへんけど、今でも大切な愛おしい子であることには何も変わらないはずなのに…。
それなのに今スペインを支配し、衝き動かしているものは圧倒的なロマーノに対する支配欲だった。自分の腕の中であえぎ、ろくに抵抗もできず好き勝手されているロマーノ。その姿を見ていると彼を征服しているような気になって、ひどく興奮した。
「はっはっは! ペラッペラな親分ヅラが剥がれて、大事な子分を犯す気分はどうなんだ?」
ロマーノを守るため、こいつの前では絶対に全裸にならんように気ぃつけとったのに……!
ぐっと歯をくいしばるも体はスペインの意に反して、ロマーノをより追い詰めるほうに動いてしまう。ぐっと腰を深く突き入れると、ロマーノは猫のような声を上げて体をくねらせる。すると挿入しているものの角度が変わり、思いがけないタイミングで内壁を抉っていった。
「あっ……、あっ あァあ———っ!」
きゅうきゅうとスペインの性器を引きしぼるように、後孔が収縮して射精を促される。それに眉をひそめて耐えていると、男たちが自分たちの存在を思い出させようと咳払いをして言った。
「お楽しみのようだなあ。おかげで良い映像が録れそうだ」
「ふぁ……ァっ! な、あァ……ッ、あ、ンぅ、あっあァ、な、に……ッ?!」
「そしてこの動画をよぉ、日本の女が買ってくれるらしいぜ! だからこれを売りまくって荒稼ぎしてやる!」
「く、くそっ…!なんて、外道な奴らなんや…!」
「あ、あン……! も、らめぇ……、スペイっン……! イっちゃう、イっちゃ、……ぁ、あァっ」
一瞬、向けられたカメラに気を取られたのが悪かった。ガツガツとロマーノを貪る動きが緩慢なものになり、彼はじっくりとスペインの性器を味わうはめになった。激しく腰を突き動かす時よりも、一層強い快感がロマーノを襲う。瞬間、視界がチカチカと明滅して腰のあたりに血液が集まる。ふれられてもいないのに勃ち上がり、だらだらと透明な先走りの液を零し続けていた性器が限界まで張り詰めて、もうダメだと思った瞬間。
「はっ、あ、ァあ、あっ……あっ、あ———……!」
「ろま、ロマーノ……ッ!」
ぶるぶると体を震わせながら、ロマーノは精液を吐き出していた。頭の中が真っ白になり、あらゆる音が遠ざかる。ただ自分に背後から覆いかぶさるように抱きしめてくるスペインの体温だけを感じて、断続的に訪れる強い絶頂感に抗うことなく流された。
後ろに突き入れられたスペインの性器が、生々しいぐらいに怒張していて胎内で主張している。達した衝撃で噛み付くように後ろを締め付けているが、彼の方は射精には至らなかったらしい。スペインは不思議ととても静かだった。
「はっ、はぁ……はあ」
荒い息をつきながらどうにか正気を取り戻した。未だに目の前には星が散っているような感覚があったし、心臓が全力疾走した直後のように早鐘を打っていたが構わなかった。どうにかスペインの腕の中から抜け出そうとするが、腰が抜けているのか全く力が入らない。
渋々、肩越しにスペインを振り返った。
「うぅ……も、抜けよぉスペインのあほちくしょーめが」
「ごめん……ロマ、こんなとこで……。しかも知らん奴らに見られてんのに……」
「ちぎっ……そ、そうだ! あいつらは……っ?!」
あたりを見渡すと男が両側からカメラを回しているのが見えた。カァッと頭に血が上り、頬が火照る。そんな初々しい反応を見せるロマーノを収めようと、レンズがぎゅるぎゅると音を立てて動いた。どうにかカメラから逃れようと体をよじるが、腰から腹に回されたスペインの腕ががっちりとロマーノを抱きしめて離さない。
「俺、おれ……」
ズッ、ずるっ
「ひやぁん! な、なんで……?!」
ロマーノが驚くのも無理はなかった。スペインの性器がぐいっと動かされたからだ。
「ぐぁ……っ、く、ぅ……抜かれへんのや……っ」
「なっ……!? な、で……あっ、ァあ、んぅ!」
「はっ、あ」
スペインの獣じみた呼吸が耳につく。首を横に振って必死で逃れようとするが、すでにロマーノの悦いところはしられてしまったのだろう。スペインの動きが明らかに狙うものに変わった。
「ひあ?! あっ、あァ……っ!」
彼は自身の雁首でロマーノの内側にあるしこりを擦り上げ、さらなる性感を引き出そうとしてくる。一度、射精して正気を取り戻したロマーノには堪ったものじゃなかった。今はあの男たちがカメラを回す姿もちゃんと視界に入っている。
「らめぇ……見ないで、みないでぇ……!」
「ロマーノ、すまん……!」
「ぁあ?! あっあ、あァ」
しかしスペインが与えてくる快感からは逃れられず、ロマーノはさらなる欲望の渦へと身を堕としていった。
***
「ロマーノぉ、ごめんな……」
「ちくしょー! お前のせいで恥かいたじゃねぇか、このやろー!」
結局、スペインの気の済むまで貪られたロマーノは気を失い、気がつけばスペインの自宅に運ばれていた。ここは彼の寝室。いつも寝起きしている広いベッドに寝かされて、甲斐甲斐しく世話を焼くスペインのことをこき使っているところだ。
「親分かてロマーノにこんな目に遭わせたくなかったから、むっちゃ理性総動員して今まで耐えてたんやで! それが、まさか……こんなことになるなんて」
「……」
「でも子分を犯す親分なんて、親分失格やんな……ほんまごめんな」
誠心誠意謝ってくるスペインは本気で後悔しているようだった。泣きべそをかきながらロマーノに縋りついてくる姿を見ていると、さすがにかわいそうな気がしてくる。
「ふ、ふん。……まあ変な体質だとは思うけどよ。お前がおかしいのは今に始まったことじゃねぇしな」
「ろまーの……?」
「つーか、お前、俺以外の奴にもあんなことしてんじゃねぇだろうな?!」
「するわけないやん! 俺の体質はロマーノにしか反応せぇへんのや! 勃ちもせぇへんわ!」
どさくさ紛れにすごいことを言われている気もするが。
「ならしょうがねぇな……今回だけだぞ」
「ろ、ロマーノぉ!」
「その代わり! しっかり俺の面倒を見ろよ!」
「もちろんやで! 今日は1日召使するわ!」
こうしてロマーノはスペインのちょっとおかしな体質を知ったのでした。めでたしめでたし。